Understanding and Writing Academic Reports:
Academic Expressions and Patterns

現在 過去
肯定 否定 肯定 否定
名詞 事実である 事実ではない 事実であった
事実だった
事実ではなかった
形容動詞(ナ形容詞) 複雑である
複雑だ
複雑であった
複雑だった
複雑ではない 複雑ではなかった
形容動詞(イ形容詞) 大きい 大きくない 大きかった 大きくなかった
動詞 使う 使わない 使った 使わなかった

<です・ます体> <である体>
困難なの(ん)です 困難なのである/困難なの
問題なのではありませんか 問題なのではないか
可能でしょう 可能であろう/可能だろう
確認しましょう 確認しよう
実行してください 実行してほしい/実行してもらいたい

<話し言葉の表現> <である体>
接続表現
だから、利用者が多い。 したがって、利用者が多い。
でもだけど、簡単ではない しかしだが、簡単ではない
便利だけど、値段が高い 便利であるが、値段が高い。
湿度が高くて、蒸し暑い。 湿度が高、蒸し暑い。
値段が安いし、品物もいい。 値段が安、品物もいい。
人に頼らないで、自分でする。 人に頼らず(に)自分でする。
相談しないで、決めた。 相談せず(に)決めた
設備が整っていて、使いやすい。 設備が整っており、つい書いやすい。
縮約形
問題じゃない。 問題ではない。
書かなくちゃならない。 書かなくてはならない。
なくなっちゃた なくなってしまった
書いといた 書いておいた
住んでる 住んでいる
必要だって書いてある。 必要だ書いてある。
副詞
とってもすごく 非常にたいへん
あんまり あまり
いっぱい 多く数多く
ちょっと 少し多少

名詞化と助詞

①友達と旅行をすること  → 友達との旅行
②外国から輸入すること  → 外国からの
③来年大学院へ進むこと  → 来年の大学院への進学
④明日まで出張すること  → 明日までの出張
⑤日本就職すること   →  日本での就職
⑥家族を愛すること   → ✕家族をの愛→◯家族への
⑦他人に依存すること   → ✕他人にの依存→他人への依存

引用に使われる表現、文系

~は ~と
次のように
以下のように
述べている、書いている
指摘している、説明している
主張している、論じている
反論している、批判している
分析している、考察している
~によれば
~によると
~ということである
~という

仕組みや状態の説明に使われる文系
1)文の主題を示す「は」 ~ば   ~である

~には  ~がある
代表者会議は市長の諮問機関である。

会社には株式会社、有限会社、合資会社、合名会社の4種類がある。
2)事柄を説明するときの受身分 ~は   ~れる(られる)。 代表の募集は公募、及び団体からの推薦により行われる。
3)状態を示す「~ている」 ~は   ~ている 株式会社は、健全な経営が行われるような仕組みになっている。

*「~に」「~で」などの助詞がついた語も、「は」をつけて主題歌できる。


時間的な経過の説明に使われる文系・表現 例文
過去のできごとを示す ~年(に)、 ~が ~だ。 1972年、雪まつりがデレビで中継され世界の注目を集めた。
変化を示す ~ようになった。 市民も大雪像作りに参加できるようになった。
一連の流れをまとめる このように ~だ/~できた このように雪まつりは市民の人気行事になってきた。
話題を追加または転換する また、~ (付け加える)
さらに、~ (付け加える
一方、~ (視点を変える)
また、これがきっかけで国際コンクールも行われるようになった。
さらに、真駒内に新しい会場ができた。
一方、市民も活躍の場を広げている。

分類に使われる文系・表現
分類を示す ~は A・B・Cに {分けられる/分類できる。
~には A・B・Cが ある。
日本語の単語は、和語・漢語・外来語・混種語の4種類に分けられる。
項目を教え上げる(接続表現) 第一に、~。第二に、~。第三に、~。……
説明の順序を示す まず、~。次に、~。それから、~。さらに、~。最後に、~。
用語について説明する ~とは  ~を指す。
~は   ~とも呼ばれる
和語とは古来からの日本語を指す。

定義によく使われる文系・表現
分類の範疇を示す ~は ~の総称である。
~は ~の一つ/一種である。
造形美術は絵画、彫刻、工芸品、建築などの総称である。
アロエは多年草の一種、薬草である。
意味を説明する ~とは ~のことである。
~というのは ~のことである。
マイカーとは自家用車のことである。
電卓というのは、卓上で使う電子計算機のことである。
例示する 例えば ~などがある
例えば ~などがそれに当たる/入る。
バリアフリー商品というと、例えば、一辺に切り込みがあるテレホンカードなどもそれに入る。

比較・対象に使われる文系、表現

比較
AとBを{比較すると/比べると} Aのほうが~。
AとBとでは、 Aのほうが~。
Aは{Bより/Bに比べ}
対象 例文
Aは~。{それに対して/一方、} Bは~。
Aが ~のに対し、 Bは~。
AはBと {反対に、対象的に、} ~である。

<結果に重点をおく> 例文
~と、~。 煙草を吸い過ぎると、胃腸の働きを悪くする。
~(の)結果、~。 予習・復習の結果、成績がよくなった。
~に{よって/より}~。 カルシウムの不足に{よって/より、骨が弱くなる。
~ので、~。 経済が悪化したので、失業者が増加した。
~(が原因)で、~。 運転手の不注意が原因で、バスが崖から転落した。
~(の)ため、~。 天候不順のため、野菜が値上がりしている。

<原因に重点をおく> 例文
~は ~からである。 よく風邪をひくのは、健康管理が悪いからである。
~は ~(の)ためである 自動車の輸出が伸びたのは円安のためである。
~は ~による。 大量の難民の発生は内戦によるものが多い。
~は ~による。 漁業の衰退は環境破壊に原因がある。
~(の)原因として、がある。 山林火災の原因として、登山者のタバコの不始末がある。
(~の)原因は、~にある。 倒産の原因は過度の設備投資にある。

原因関係についての考察を述べる
~と考えられる。 自動車の輸出台数が増えたのは円安のためだと考えられる。

論説文に使われる文型・表現
引用部分が短い場合 ~は ~と述べている
~では ~と述べている。
~によると、~という。
大久保の若者の職業体験が必要だと述べている(大久保2001)。
2000年の労働白書によると、若者の自発的離職が増えているという。
引用部分が長い場合 ~は次のように述べている/書いている。 この本の中で小関は次のように書いている。
論述の流れを示す 先に述べたように、~
上述のように、~。
先に述べたように、ここで取り上げた問題は上述の解決策が実施されれば、解消される部分が多い。

図表や資料の説明に使われる表現
~が ~より……多い、少ない
~を ……上回る、下回る
~に ……達する、及ぶ、なる、上る、満たない
~を ……切る、割る、超える、占める
~が 急激に  増加する、減少する
大幅に  拡大する、縮小する
緩やかに 上昇する、低下する
徐々に  上向く、下向く

~傾向にある
~の 伸びが   大きい、小さい
増え方が  激しい、著しい
増加率が  鈍い、鈍化する
このことから
以上のことから   ~が
この結果
わかる、うかがえる
明らかになる、言える
判断できる、考えられる
この結果は     ~を 示している